手術中は、ずっと目を開けていなくてはならないのでしょうか?
ご相談者様

心配性ではないのですが、何かを気にしだすとそのことばかりが気になってしまう質(たち)です。近いうちに白内障手術を受けるのですが、ふと「手術中はずっと目を開けていなくてはならないのだろうか?」と気になりだしてしまって仕方がありません。
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「手術中はずっと目を開け続けなくてはいけないの?」という質問は、実はとてもよく聞かれる事柄です。白内障手術で使う麻酔は局所的なものなので、患者さんは意識がはっきりとある状態で行います。周りの風景も見えますし、お話することもできるのです。手術前にこれらのことを伝えるのですが、やはり多くの方があなたと同様の疑問を抱くようですね。中には手術日が近づくにつれて不安になったり、気になって仕方がなくなったり、という患者さんもいらっしゃいます。
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よくある質問なのですね。しかも、私はまさに手術日が近づくほど気になって仕方がなくなるタイプです。
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手術前の説明では、手術を受けるときの注意点についてもお伝えしています。安全な手術とはいえ、高い精度が求められるので、患者さんには「顔を動かさないようにしてくださいね」などとお願いするのです。すると、あとになって「それなら、まばたきも我慢しないといけないのかな」「もし急に咳が出てしまったら…?」と心配になってくる方が少なくありません。
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極力動かないようにと意識しても、やはり生理現象は我慢できないですからね。私もまた気になり始めてしまいました。まばたきだけでなく、くしゃみや咳が出てしまうかもしれません…。実際、生理現象が起こるとどうなのですか?
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ご安心ください。執刀医は手術実績が豊富なので、咳やくしゃみなど瞬間的なものでしたら、様子を感じ取って対応します。ただ、連続的に咳き込んだりして、発作的な生理現象が続くようでしたら、手術に支障が出る可能性もあります。0コンマ何ミリの単位で正確性を保たなければならない手術ですから…。
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瞬間的なものだったら、咳もまばたきも無理に我慢する必要はないのですね。
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はい。特にまばたきに関してはまったく心配ありません。手術中は開瞼器と言われる器具を使って、目が開いた状態をキープします。患者さん自身が自力で目を開け続けることにはならないので、ご安心くださいね。自然な状態で目を開けていただいたほうが、実は手術もしやすいのです。手術していないほうの目は機械で開けることはしません。普段通りリラックスしてくださいね。もちろんまばたきしても大丈夫です。
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わかりました。早々に解決できてすっきりしました。おかげさまで不安なく手術日を迎えられそうです。
まとめ
白内障手術で使う麻酔は局所的なものなので、患者さんは意識がはっきりとある状態で行います。周りの風景も見えますし、お話することもできます。手術前にはいくつかの疑問や不安を抱く患者さんがいらっしゃいますが、クリニックでは手術を受ける際の注意点をお伝えしていますのでご安心ください。
患者さんには「顔を動かさないようにしてくださいね」などとお願いすることがありますが、場合によっては生理的に止めることのできない咳やくしゃみが出てしまいそうなこともあると思います。このような場合は、執刀医が手術実績が豊富であるため、様子を感じ取って適宜対応をします。ただ、連続的に咳き込んだりして発作的な生理現象が続くようであれば、手術に支障が出る可能性もあります。これは、白内障の手術が0コンマ何ミリの単位で正確性を保たなければならないためです。
瞬間的なものであれば、例えばまばたきをするのはまったく問題ありません。手術中は開瞼器と言われる器具を使って、目が開いた状態をキープします。患者さん自身が自力で目を開け続けることにはならないので、ご安心くださいね。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。