白内障お悩みQ&A

白内障と緑内障を併発しています。同時に手術できるそうですが、どんな施術ですか?

ご相談者様

以前から白内障にかかっているのですが、仕事の都合もあってなかなか手術を受けられずにいました。ところが最近、緑内障もあるとわかりました。それでようやく手術に臨む気持ちになったのですが、あまり仕事に穴を開けたくありません。白内障と緑内障は同時に手術を受けられると聞いたのですが、本当でしょうか?

  • お尋ねのように、同時に手術を受けることは可能です。さらにいえば、2018年から白内障手術に併用して行う低侵襲緑内障手術が健康保険適応として認可されました。しかしながら同時手術は難度が上がるために、引き受けてくれない医療施設もあるというのが実情です。他の医院で同時手術を断られて、当院にご相談に来られる方もいらっしゃいます。

  • 健康保険が適応されるのですか? それは知りませんでした。
    同時手術は難度が上がるとのことですが、どのような治療を行うのでしょうか。

  • 正式名称は「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」といいます。
    緑内障とは、目の中にあるお水のバランスが悪くなることで眼圧が高くなり、モノを見るのに大切な視神経がダメージを受けてしまい、視野が周辺から徐々に欠けていく病気です。手術では、iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)というチタン製の器具をお水の出口に埋め込んで排出を促し、眼圧が高くならない状態を作ります。
    ただし手術を受けるには一定の条件があり、治療が必要なレベルの白内障であると診断されていることや、緑内障点眼薬による治療を行っていることが求められます。

  • そのiStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)は白内障手術と同時でないと入られないのでしょうか?

  • 健康保険の適用を受けるには、白内障手術と同時に行わなくてはなりません。以前に白内障手術を受けられた患者さんだと、iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)だけを受ける場合は自由診療になります。また、この治療を行えるのは日本眼科学会で講習を受けた医師に限られていて、どこの眼科でも治療ができるというものではないということにも留意してください。

  • 同時に手術を受ける場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?

  • 白内障手術では小さな切り口を創るのですが、iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)を入れるときもその切り口を使うことができます。緑内障手術を単独で受ける場合、新たに傷口を創らなくてはいけませんが、同時手術であればそれが不要になるのです。また、白内障手術そのものは5分~10分程度で終わりますが、同時にアイステントを入れたとしても2、3分しかかかりません。短時間で終わりますし、痛みもないので、患者さんにとって負担なく受けられる治療法となります。術後は眼圧が下がり、さらには視力も改善するので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。

  • それはすごいですね。同時に受けても短時間で済むという点も魅力的です。ぜひ検討したいと思います。

まとめ

白内障と緑内障を同時に手術することは可能です。正式名称で「水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術」という手術を行います。手術では、「iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)」というチタン製の器具をお水の出口に埋め込んで排出を促し、眼圧が高くならない状態を作ります。ただし手術を受けるには一定の条件があり、治療が必要なレベルの白内障であると診断されていることや、緑内障点眼薬による治療を行っていることが求められます。

保険の適用を受けるには、「iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)」は白内障手術と同時に行わなければなりません。よって以前、白内障手術を受けられた患者さんの場合、「iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)」だけを受けるには自由診療となります。

同時手術では、「iStent inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)」の切り口を白内障手術でも用いるため、新たに傷口を作る必要がないというメリットがあります。また、白内障手術そのものは5〜10分で終わりますが、同時にアイステントを入れたとしても2〜3分しかかからないのも利点です。

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佐藤 香

監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。

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