趣味で、色をはっきりと見る必要があるのですが、白内障手術をしたら見え方は変わりますか?
ご相談者様

趣味でテキスタイルデザインをやっています。デザイン画をつくるとき、出来上がったサンプルを見る際などに、色をしっかりと識別する必要があります。白内障手術をしても大丈夫でしょうか?
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手術で挿れる眼内レンズの特性によって、手術以前と比べると、多少色の見え方が変わることがあります。手術で用いる眼内レンズには、1点に焦点を合わせてある単焦点眼内レンズと、複数に焦点が合う多焦点眼内レンズがあります。
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そうなんですね。
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かつては、単焦点眼内レンズに比べると色彩のコントラスト感度が若干低く、細かい図柄などを見たとき、色が薄く見えくっきりとしないことが一般的でした。これは外から入ってきた光を、眼内レンズのなかで複数の焦点に分けるために起こってしまうことで起きる現象です。日常生活において支障が出るようなことはありませんでしたが、色の識別をきびしく求められる職業の方や、細かな作業をされる方には、多焦点眼内レンズは不向きといわれたこともありました。
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それは、どんな職業の人たちですか?
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たとえば、歯医者の方です。当時の多焦点眼内レンズは、色のコントラスト感度が低下してしまい、診療に支障をきたすことがあったからです。現在では多焦点眼内レンズがたくさん登場し、その中には色彩のコントラスト感度が低下しないレンズもあります。そのため、歯科医の方も安心して選択することができるようになりました。
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今は、どんな職業の人も多焦点眼内レンズを選ぶことができるのですね。
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そうですね。微妙な色の識別・判別が求められる職業の方が安心して使用できる多焦点眼内レンズもあり、術後の満足度は非常に高いといえます。
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お聞きして安心しました。先生と相談して、自分に合った多焦点眼内レンズを選んでみます。ありがとうございます。
まとめ
手術で挿れる眼内レンズの特性によって、手術以前と比べると、多少色の見え方が変わることがあります。手術で用いる眼内レンズには、1点に焦点を合わせてある単焦点眼内レンズと、複数に焦点が合う多焦点眼内レンズがあります。かつては、単焦点眼内レンズに比べると色彩のコントラスト感度が若干低く、細かい図柄などを見たとき、色が薄く見えくっきりとしないことが一般的でした。これは外から入ってきた光を、眼内レンズのなかで複数の焦点に分けるために起こってしまうことで起きる現象です。
日常生活において支障が出るようなことはありませんでしたが、色の識別をきびしく求められる職業の方や、細かな作業をされる方には、多焦点眼内レンズは不向きといわれたこともありました。これは、当時の多焦点眼内レンズは、色のコントラスト感度が低下してしまい、診療に支障をきたすことがあったからです。現在では多焦点眼内レンズがたくさん登場し、その中には色彩のコントラスト感度が低下しないレンズもあります。そのため、歯科医の方も安心して選択することができるようになりました。微妙な色の識別・判別が求められる職業の方が安心して使用できる多焦点眼内レンズもあり、術後の満足度は非常に高いといえます。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。