突然、片方の目だけが見えづらくなってしまいました
ご相談者様

急に片方の目が見えづらくなってしまったのですが、片目だけ白内障になることがあるのでしょうか?
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白内障で片方の目だけが極端に症状が進んでしまっている場合、考えられる原因の一つは外傷性白内障ですね。今までに症状が進んでいる方の目元をぶつけたり、ケガをした経験はありませんか?
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外傷性白内障ですか…。学生時代に、部活でサッカーボールが目に当たって一度眼科を受診したことがあります。強くぶつけたので心配しましたが、当時は特に異常もなく経過観察で終わりました。
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おそらく、その時に受けたケガの衝撃で、徐々に水晶体が濁ってきてしまい、白内障を発症してしまったと思われます。
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そんな昔のケガが、今になって症状として現れているんですね。私は、すぐにでも白内障の手術を受けたほうがいいのでしょうか?
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外傷性白内障などでチン小帯が衰弱している場合、白内障手術は難易度が高くなります。なるべく早く手術をしたほうがいいのですが、眼科を選ぶときは白内障だけでなく、CTRと呼ばれる器具を扱えるかどうか、万が一に備えて硝子体手術に対応できるかどうか等を、しっかりと見極めなければいけません。
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なぜ、手術が難しくなるのでしょうか?どこの眼科でも、同じように白内障手術が受けられるわけではないのでしょうか?
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チン小帯は、水晶体を支える役割があります。白内障手術では、水晶体を取り除いて人工のレンズを挿入します。水晶体を支えるチン小帯が弱っていると、手術の途中で目の奥に水晶体を落としてしまう可能性があります。チン小帯の落下を防ぐために用いられるCTRと呼ばれる器具は、日本眼科学会の定めた講習を受講した眼科医に限られます。
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なるほど。医療器具も講習を受けた眼科医でないと扱うことができないんですね。
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はい。万が一、水晶体を目の奥に落としてしまった場合、扱う手術は白内障手術から硝子体手術に切り替わります。白内障手術を行う眼科は多くあっても、目の奥の領域である硝子体手術ができる眼科医は限られています。また、落下してしまうとCTRも使えなくなるため、強膜内固定と呼ばれる方法で眼内レンズを固定します。
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白内障手術だけでなく、硝子体手術にも対応できる眼科を選ばないといけないのですね。
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白内障手術だけを行う眼科で手術を行っている時に、もし水晶体を落としてしまったら、そこから先何もできなくなってしまいます。すぐに別の病院で硝子体手術を行えればいいですが、受け入れ先がないと水晶体も人工レンズもないまま、目が見えない状態で白内障手術を切り上げられてしまいます。
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そんなことになったら大変ですね。
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アイケアクリニックでは、難症例の外傷性白内障かどうかを、問診の際にしっかりとお伺いしています。外傷性白内障などで、チン小帯が弱っている患者様にも対応するために、CTRの器具の使用はもちろん、眼内レンズの強膜内固定や硝子体手術にも対応しております。難症例にも対応し、手術実績の豊富な医師による、安全な日帰り手術が受けられる体制を整えておりますのでご安心ください。
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白内障手術ができる眼科はたくさんあっても、難症例にも対応できる眼科かどうかをしっかりと調べておかないといけないということが、よくわかりました。本日はありがとうございました。
まとめ
考えられる原因の一つは外傷性白内障ですね。過去に、症状が進んでいる方の目元をぶつけたり、ケガをしたことがある場合、その時の衝撃で徐々に水晶体が濁り、白内障を発症することがあります。チン小帯が衰弱している場合、白内障手術は難易度が高くなります。眼科を選ぶときは白内障だけでなく、CTRと呼ばれる器具を扱えるかどうか、万が一に備えて硝子体手術に対応できるかどうか等を、しっかりと見極めなければいけません。水晶体を支えるチン小帯が弱っていると、手術の途中で目の奥に水晶体を落としてしまう可能性があります。チン小帯の落下を防ぐために用いられるCTRと呼ばれる器具は、日本眼科学会の定めた講習を受講した眼科医に限られます。
万が一、水晶体を目の奥に落としてしまった場合、扱う手術は白内障手術から硝子体手術に切り替わります。目の奥の領域である硝子体手術ができる眼科医は限られています。当院では、外傷性白内障などで、チン小帯が弱っている患者様にも対応するために、CTRの器具の使用はもちろん、眼内レンズの強膜内固定や硝子体手術にも対応しております。難症例にも対応し、手術実績の豊富な医師による、安全な日帰り手術が受けられる体制を整えておりますのでご安心ください。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。