オーダーメイドの眼内レンズってどんなものがありますか?
ご相談者様

眼内レンズにはオーダーメイドで注文するものがあると聞きました。そういった眼内レンズにはどんなものがあるのでしょうか?
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完全オーダーメイドの眼内レンズとして知られているのは、「LENTIS MplusX(以下、レンティスと表記)」です。
通常の眼内レンズは0.5D(ディオプター)刻みの在庫に合わせて度数を決定し、注文することになりますが、レンティスは0.01D刻みで患者様の目に合わせてオーダーメイドすることができます。 -
通常が0.5D刻みのところ、レンティスは0.01D刻みということは、50倍も高い精度で度数を合わせられるということですね!それはすごい!
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そうですね、レンズ度数の自由度がもっとも高い眼内レンズといえます。
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レンティスは多焦点眼内レンズなのですか?
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はい、自由診療適用となる多焦点眼内レンズです。ただし、これまでの2焦点や3焦点などの眼内レンズと違い、遠方用と近方用のレンズが半分ずつに分かれて作られている「分離屈折型」というタイプのレンズとなっています。このタイプは屈折による光のロスが少なくなるため遠くも近くも比較的鮮明に見え、さらに中間の視力の落ち込みもゆるやかになります。
夜間に街灯や自動車のヘッドライトがまぶしく見えるハローやグレアなどの症状もほとんど起こりません。 -
高性能な眼内レンズなんですね。
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それだけではありません。完全オーダーメイドの利点を活かして、レンティスならではの特徴がいくつかあります。
例えば、精度の高い度数調整が可能なことで、強度近視の方や強度遠視の方も適用できる可能性が高まります。
また、乱視矯正が可能なトーリックタイプもあるので、強い乱視のある方も矯正が可能となります。 -
聞けば聞くほど、とてもいい眼内レンズに思えてきました。
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そうですね。現状ではメガネをする必要がなくなる可能性がもっとも高い眼内レンズの一つです。
あえて欠点を指摘するとすれば、完全オーダーメイドなので、度数を決定し、注文してから届くまでに6週間ほどかかってしまうことでしょうか。
また、高性能であるがゆえに、十分な設備のないクリニックでは手術で高い性能を引き出すことが難しいという点もあります。 -
性能が高いからこそ、扱い方も重要になるのですね。
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そうです。当院は「The Cataract Refractive Suite(カタラクト・リフラクティブ・スイート、以下CRSと表記)」という、眼内レンズの性能を最大限に引き出すための最新の手術機器をそろえています。レンティスのような、わずかなズレが命取りになる高性能な眼内レンズを扱うためには、CRSが欠かせません。
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なるほど、眼内レンズを選ぶだけでなく、眼内レンズの高い性能を引き出す機器をそろえているクリニックで手術することも重要なんですね。
私も手術を受ける際には、貴院のような設備の整ったクリニックで受けるようにしたいと思います。色々と教えていただきありがとうございました。
まとめ
完全オーダーメイドの眼内レンズとして知られているのは、「LENTIS MplusX(以下、レンティスと表記)」。通常の眼内レンズは0.5D(ディオプター)刻みの在庫に合わせて度数を決定し注文することになりますが、レンティスの場合、0.01D刻みで患者の目に合わせてオーダーメイドすることができます。このようにレンティスは眼内レンズの中でも、もっとも自由度が高い眼内レンズといえます。
レンティスは自由診療適用となる多焦点眼内レンズ。従来の2焦点や3焦点の眼内レンズとは違い、遠方用と近方用のレンズが半分ずつに分かれて作られている「分離屈折型」というタイプです。光のロスが少なくなるため、遠くも近くも比較的鮮明に見え、さらに中間の視力の落ち込みも緩やかになります。
その他、レンティスは精度の高い度数調整が可能なことで、強度近視や強度遠視の方も適用できる可能性が高いです。また、乱視矯正が可能なトーリックタイプもあり、強い乱視の患者も矯正が可能。当院では「The Cataract Refractive Suite(CRS)」という最新の手術機器を揃えているため、レンティスのようなわずかなズレが命取りになる高性能な眼内レンズも取り扱うことができます。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。