白内障お悩みQ&A

他院で断られたのに、当院では手術可能だといわれました。この差は何でしょうか?

ご相談者様

白内障手術は、場合によっては難度が高くなると聞きました。難易度が高いと、医療機関によっては手術を断ることもあるそうですね。

  • 白内障手術は日進月歩を積み重ねてきて、今日、安全性においても精度においても、完成度の高い手術となっています。医学的に確立された代表的な手術といってよいでしょう。しかし、それでも難しい手術があります。そのためそれに対応できない施設は、手術を断らざるを得ないのですね。

  • 実は私の母も断られてしまいました。70代ですがとてもアクティブな人で、クリアな視界になることをとても楽しみにしていたのですが…。手術の難度が高いケースとは、どういった場合なのでしょうか?

  • それはお気の毒です。難易度が高くなるケースのひとつは、白内障以外にも目の病気を併発している場合です。目の中の房水の通り道が狭くなる、「閉塞隅角緑内障」を発症している場合も、手術の難度が高くなってしまいます。白内障と同様、加齢により発症しやすい病気です。
    実はこの治療は白内障手術で改善されるのですが、それぞれ疾患の治療は専門化されているので、手術を行える眼科医は極めて少ないというのが現状です。

  • まさに緑内障を併発しています!

  • また、目のケガや打撲によって起きる「外傷性白内障」も、手術の難度が高くなる可能性があります。外傷性白内障では、水晶体を包んでいる袋ともいうべき「嚢(のう)」や、水晶体を支えている繊維状の組織「チン小帯」が劣化している場合があり、通常の手術方法では眼内レンズを挿入できないことがあるからです。⼿術中にチン⼩帯が断裂して⽔晶体が眼の奥に落下する「⽔晶体核落下」などの⼿術合併症が起きるリスクがあり、実際にそういった事態になると、通常の⽩内障⼿術にはない複雑な⼿術が必要となり、⽩内障専⾨の眼科医では対応できません。そういった背景から、あらかじめ手術を断る医療機関もあります。

  • とにかく技術的な問題が大きいのですね。他院で断られた場合でも、オールラウンドで眼科手術を行っている経験豊富な眼科医のいる施設に相談に行けば、手術を受けられる可能性があるということでしょうか。

  • その通りです。断られても諦めずに、他の医療機関に相談してみてくださいね。ただし、医師の技術以外にも大事な要素があります。それは機器の装備です。手術の難度が高い場合、硝子体手術を同時に行うこともありますので、その設備が整った施設を選ぶことが大切です。

  • 難しい手術を断る施設と受け入れる施設とでは、見えないところでそういった決定的な差があるんですね。クリニック選びの参考として役立てたいと思います。

まとめ

白内障手術が他院では断られたのに、当院では手術可能だと言われる理由は、患者さんに合わせた治療設備や技術をもつ医師に違いがあることが理由です。白内障手術は日進月歩で進化しており、安全性や精度は極めて高い状態になりました。しかし、患者さんの状態によっては難しいケースもあるため、対応できない施設では手術を断らざるを得ないのです。難易度が高くなるケースのひとつは、白内障以外にも目の病気を併発している場合です。目の中の房水の通り道が狭くなる「閉塞隅角緑内障」を発症している場合も、手術の難度が高くなります。また、目のケガや打撲によって起きる「外傷性白内障」も、手術の難度が高くなる可能性があります。このように併発する病気によっては、他院で手術を断られる場合がありますが、オールラウンドで眼科手術を行なっている経験豊富な眼科施設に相談すれば、手術を受けられる可能性はあります。医師の技術や機器の装備が伴えば手術可能なケースがあるので、断られても諦めずに他の医療機関に相談してみてください。

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佐藤 香

監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。

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