一度入れた眼内レンズは取り出すことはできないのですか?
ご相談者様

現在、白内障手術を検討しています。そこで気になるのが、白内障のレンズは一生同じものを使用するのか?ということです。白内障の日帰り手術で眼内レンズを入れた後に、取り出すことはできるのでしょうか?
-
白内障手術で目の中に入れた眼内レンズを、入れ替えることができるか、ということを知りたいのですね?この質問はよくいただきます。
まず、できるかどうかの答えとしては、可能です。
-
そうなんですか!では、眼内レンズの取り出しは可能なんですね。
-
ただし、よほどのことがない限り、入れ替えを行うことはありません。というのも、眼内レンズは入れるのは簡単なのですが、取り出すのはやや難しい手術になるからです。
-
そうなんですか?
-
はい。眼内レンズは、白内障手術の際、最初は小さく折りたたまれた状態で挿入され、その後に水晶体のふくろの中で広がって固定されます。しかし、これを取り出そうとしてしても再び折りたたむことはできないのです。ですから、眼内レンズを取り出そうとすると、小さく切って少しずつ取り出すか、傷口を大きく開けて、水晶体のふくろごと取り出すかということになります。
通常の手術よりも目の負担が高い手術になります。
-
なるほど。取り出し自体はできるけれど、難しい手術になるんですね。
-
はい。さらに、目の手術を何度も行うことになってしまうので、いくら白内障手術が低侵襲で患者さまのお身体の負担が少ないからといっても、あまり好ましいことではありません。
これらの理由から、当院では、「白内障手術は一度の手術で治す」という方針で手術を実施しており、眼内レンズを選択するためのカウンセリングを重視しています。
-
でも、眼内レンズってたくさんの種類があって、手術をした後に他のレンズにすれば良かったと後悔するかもしれません。
-
白内障手術を受けた後に見え方などにご不満があれば、取り出して他のレンズを挿入すれば良いかもしれません。ですが、眼内レンズを取り出し、入れ替えることは先ほどご説明したとおり難易度の高い手術で、あらゆる点で患者さんへの負担が増えてしまいます。
当院では、患者さんにとって最適な眼内レンズをお選びいただくことが、ご負担が少なく一番望ましいと考えています。
-
でも、一生付き合っていく眼内レンズをすぐに決めるなんて難しくないですか?
-
確かに難しいですよね。眼内レンズは半永久的に使用できるので、レンズ選びは患者さんにとって一生のことだと思います。そのために当院では手術する医師が患者さんとしっかりカウンセリングを行う時間を設けて、眼内レンズをお選びいただいています。眼内レンズの選択に不安がある患者さんは、当院のようにカウンセリングを重視している施設で経験豊富な医師が直接カウンセリングしてくれる眼科を選ぶことをおすすめします。
-
手術経験が多い医師が直接カウンセリングしてくれるなら、レンズを選ぶ相談もできてとても安心ですね。
-
はい。検査結果をもとに、ライフスタイルに合わせて適切なレンズをご案内しています。また、当院では20種類以上の眼内レンズを取り扱っています。海外のオーダーメイド多焦点眼内レンズも対応しています。通常、ほかの眼科では多焦点眼内レンズは1~2種類ほどしか取り扱いがありません。他のクリニックで強度近視などを理由に白内障手術を断られてしまった方も、当院では安心して最適なレンズをお選びいただくことができます。手術も豊富な実績を持つ眼科医師が行うので、安心して手術が受けられます。
-
眼内レンズの種類も眼科によってさまざまなんですね。眼内レンズを取り出すリスクについて詳しく教えていただきありがとうございました。
まとめ
白内障手術で目の中に入れた眼内レンズを取り出すことは可能です。しかし取り出すのはやや難しい手術になるため、よほどのことがない限り入れ替えを行うことはありません。さらに、いくら白内障手術が低侵襲で患者さまのお身体の負担が少ないからといっても、目の手術を何度も行うことになるのはあまり好ましいことではありません。これらの理由から、当院では、「白内障手術は一度の手術で治す」という方針で手術を実施しており、最適な眼内レンズを選択するためのカウンセリングを重視しています。
当院では20種類以上の眼内レンズを取り扱っており、海外のオーダーメイド多焦点眼内レンズも対応しています。そのため他のクリニックで強度近視などを理由に白内障手術を断られてしまった方も、最適なレンズをお選びいただくことができます。手術も豊富な実績を持つ眼科医師が行うので、安心して手術が受けられます。眼内レンズの選択に不安がある患者さんは、当院のようにカウンセリングを重視している施設で経験豊富な医師が直接カウンセリングしてくれる眼科を選ぶことをおすすめします。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。