手術後はどのくらい目薬をさしたり通院したりすればいいのですか?
ご相談者様

白内障手術を検討しているのですが、手術後のことをもっと知りたいと思っています。手術後はどんなことに気を付ければいいのですか?
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白内障の手術後でもっとも気を付けなければならないのは、眼内に菌などが侵入して起こる感染症です。
現在、白内障手術は極小切開により縫合の必要もなく日帰りで行われることも多くなってきました。そのため、手術の翌日から仕事復帰も可能になっていますが、だからといって完全に日常に戻るわけではありません。生活する上でいくつかは制限が必要になります。 -
生活に制限がかかるのですね。例えばどんなことができなくなるのでしょう?
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主に、次のことが制限されます。
・洗顔:術後5日目まではタオルで拭く程度にとどめてください。
・入浴:手術当日は控え、翌日からシャワーは可能です。ただし、術後5日目までは絶対に顔に水がかからないように注意しましょう。
・洗髪:術後5日目までは控えてください。
・化粧:術後5日目から可能です。しかし、アイメイク以外で拭き取りタイプのメイク落としを使用するなら、2日目からでも可能です。
・その他:激しく動いたり接触のあるスポーツは1カ月程度控えてください。また、1週間は目をこすらないように注意しましょう。 -
つまり、一週間は目に水や物が触れないように細心の注意を払う必要があるのですね。
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その通りです。
また、生活上の制限だけではなく、目薬や保護ゴーグルなどを続けることも必要です。
・目薬:通常、3種類の目薬が処方されます。医師の指示に従って、毎日決まった時刻にさすようにしましょう。およそ3カ月は続ける必要があります。
・保護ゴーグル:主に就寝時に無意識で目をこすらないよう装用しましょう。1週間は続ける必要があります。 -
目薬は比較的長く続けなければいけないのですね。
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目薬は感染症を防ぐためのものばかりでなく、炎症を抑えるためのものもあります。経過が順調であれば濃度を薄くしたり、回数を減らしたりすることもありますが、基本的には3カ月は毎日しっかり点眼することが、もっとも早く日常を取り戻すことにつながります。
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なるほどわかりました。もう一つ、術後で気になるのは通院です。どのくらいの期間、通院する必要があるのでしょうか?
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まず、必ず来院していただきたいのが手術の翌日です。術後の経過を観察することも重要ですが、万が一感染症になっていたら、早期に治療を開始しないと視力低下などに至ることもあります。そのため、翌日には必ず来院していただきたいです。
もちろん、激しい痛みなどを感じたら予約など気にせずに来院するようにしましょう。
その後は、手術の翌々日、1週間後、2週間後、1カ月後と、だんだんと間隔をあけていきます。
メガネを新調する必要がある方は、2週間~1カ月くらいのタイミングで医師が処方箋を書いてくれるので、それをもとに作るようにしましょう。 -
具体的に教えていただきありがとうございました。これを参考にして、仕事などを調整して手術の日程を決めていきたいと思います。
まとめ
白内障手術後のアフターケア
【通院期間】
手術翌日、翌々日、1週間後、2週間後、1カ月後と、だんだんと間隔をあけていきます。
もちろん、眼に異変を感じたら予約等を気にすることなく来院するようにしましょう。
【目薬】
・3種類の目薬
期間:3か月間
【保護ゴーグル】
・就寝時に着用
着用期間:1週間


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。