白内障の手術は、痛みますか?
ご相談者様

かかりつけの眼科クリニックにて、白内障と診断されました。先生から、手術を受けたほうが良いと言われています。手術以外に治療法はないとのことで、手術を受けるしかないと思うのですが、痛いのではないかと不安でいっぱいです。やはり手術は痛いのでしょうか?
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白内障だと診断されて、手術に不安を持っていらっしゃるのですね。目という、自分からは目に見えない部位の手術ですから、その恐怖心は当然のことだと思います。
ですが、安心していただいて大丈夫です。白内障の手術では局所麻酔を施しますから、痛みを感じることはほとんどありません。 -
痛みはないのですね。少しは安心できました。でも、やはり不安です。手術にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
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白内障の手術の時間はおよそ5分から10分ほどです。目薬の麻酔のあと、あっという間に終わりますよ。安全ですから、怖がることはありません。
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5分ほどですか。意外と短いんですね。手術はどんな流れで進んでいくんでしょうか?
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当院の白内障手術の流れをご説明しましょう。「The Cataract Refractive Suite(カタラクト・リフラクティブ・スイート)」という、白内障治療のために開発された複数の最先端機器を使って行う最先端の手術です。
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それはどういうものなのですか?
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まず、手術が決まったら、さまざまな機器によって目の状態を計測します。
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目の状態とは、具体的に何を調べるのですか?
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黒目の形を計測したり、目の長さを測定したり、適切なレンズ度数はどれくらいか、乱視矯正のためにどのあたりを切開すればいいのかを調べます。こうした調査によって、詳細な手術プランを作成し、患者さまにご提案しています。
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なるほど。これは手術の日ではなく、もっと前に行う検査ですよね?
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そのとおりです。手術当日には、もう一度VERIONなどのさまざまな機器を使って目の状態を調べます。そのうえで、手術プランを微調整します。
ここで計測したデータは、LenSx(レンズエックス)など、ほかの機器にも共有しておきます。LenSxとは、白内障手術で使われるレーザー装置のことです。 -
手術当日のギリギリまで調整してもらえるんですね。
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手術当日までに目の状態が変わってしまっているといけませんからね。ここは慎重にお調べします。
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ここまで細かく見ていただけると、安心です。
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さて、続けて当日の流れをご説明していきましょう。
いよいよ手術です。患者さまにLenSxの手術台に横になっていただき、局所麻酔を行います。麻酔が効いてきたことを確認し、機器と患者さまの目をドッキングさせます。 -
いよいよ手術が始まるんですね。
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はい。LenSxを使い、目の中の水晶体のふくろの前側に丸く穴を開けて、その中にある核と皮質を除去しやすいように細かく破砕します。
次に、手術用の器具を挿入するための切開創を角膜に作ります。VERIONが適切な位置をガイドしてくれるので、ぴったりの位置に切開創を作ることができます。
次に、CENTURION(センチュリオン)という装置を使って水晶体を乳化させ、水晶体の中身である核と皮質を吸引して除去します。
CENTURIONを使うメリットは、手術をより安全に、確実に、スピーディに行えるということです。 -
老化した水晶体の中身を取り出す作業ですよね。次にレンズを入れるんでしょうか?
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そのとおり。水晶体の中身を取り出したら、水晶体の袋の中に眼内レンズを挿入します。
レンズの位置や種類は、VERIONとORA(オラ)という装置により、術中の変化を踏まえた最適な位置と度数で固定できます。ですから、高性能の眼内レンズのパフォーマンスを最大化して、術後の見え方の満足度を高めることができるんですよ。 -
たった5~10分ほどの手術だとおっしゃっていましたが、その短い手術の間にいろいろな機器を使うんですね。
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手術をより安全に、確実に、スピーディに進めるために、いろいろな機器を導入しています。また、進化した多焦点眼内レンズの性能を最大限に引き出すためには、これらの最先端機器は欠かせないものになっています。
不安なことがありましたらいつでもご相談を伺いますので、何でもおっしゃってくださいね。 -
ありがとうございます。
まとめ
白内障手術は局部麻酔を行うので、痛みを感じる事はほぼありません。
手術時間は5~10分で行われ、非常に短いです。
手術当日には、眼の状態を細かくチェックし、微調整した上で
手術に臨みますのでご安心ください。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。