白内障手術の日はどんなスケジュールになりますか?当日の流れを教えてください。
ご相談者様

現在、リモートワークという形で自宅で仕事をしつつ、年老いた母を在宅介護する生活を送っています。自分が白内障であることは知っていましたが、とても手術の時間を確保できるとは思えず、先延ばしにしてきました。いくら日帰りの手術が可能だといっても、まる1日かかって、翌日も安静にしていなければならないというのは我が家ではとても難しいです。しかし先日、知人から最先端のレーザー機器を使った手術であれば、半日で家に帰れると聞きました。手術当日のタイムスケジュールはどんな感じになるのでしょうか?
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当院の場合、手術当日は、来院からご帰宅まで、早ければ1時間弱、長くても3時間ほどになります。
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手術を含めて1~3時間で帰られるということですか!? それはすごいですね。とても助かります。
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従来の白内障手術は、メスなどを使い、すべての工程を医師の手作業で行っていましたが、最先端のレーザーを使った手術では、一連の流れを機械で行います。たとえば角膜切開は1000兆分の1秒単位でレーザーを連続照射して切開します。人の手では再現できない驚異のスピードです。このように一連の作業を正確かつ安全に行うことで、手術に伴う目の負担が大幅に軽減されました。その結果、来院からご帰宅までわずか1~3時間という超短時間手術が可能になったのです。
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なるほど、機械ならではの正確性と安全性のおかげでスピーディな手術が可能となったのですね。しかし、手術時間だけでなく、手術日当日のスケジュールも気になるところです。
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手術当日は、まずご自宅で瞳孔を開く目薬を差してから来院していただきます。受付した後、視力や血圧などの簡単な検査を行い、医師による直前の診察を受けていただきます。その後、普段着のまま、ガウンや帽子、マスクを着けて待機します。手術を終えたら眼帯を着けていただき、スタッフと一緒に手術室からリカバリールームへ戻り、10~15分間安静にします。そして手術後の診断をし、特に問題がなければ生活上の注意点をお伝えして、ご帰宅するという流れになります。
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当日は普段着でよく、準備としては目薬を差しておくだけなのですね。帰宅時は麻酔による影響でふらついたりしないのですか?
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手術は短時間で終わるものですし、麻酔も目だけに効く局所的なものですから、手術後でも術前と変わりなく自力で歩くことができます。また、帰宅前の術後診断では一度眼帯を外していただくのですが、その時点で「こんなに見えるんですか!」と驚かれる方が多くいらっしゃいます。ご帰宅時も視界は良好ですからふらつくことはありません。
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そうなのですね、来院から帰宅まで私一人でも問題なさそうで、安心しました。しかし、帰宅後の生活はどうなるのでしょうか? いつも通りに過ごしてよいのでしょうか。
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「術後はベッドで安静に過ごさなくてはいけない」などはありませんので、ご安心ください。ただしお風呂や洗顔、お化粧などについてはちょっとした注意点があります。手術後にお伝えしますので、しっかりとお聞きいただければと思います。また在宅介護をなさっているとのことですが、傷口が開くリスクを避けるために、術後の数日間は重いものを持ち上げるなど負担のかかる作業は控えてください。お仕事についても、PCを使う業務など、身体に負担のかかるようなものでなければ手術翌日から普段通りに行えます。
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手術となれば、いくら短くても1日仕事になるものだと思って、ずっと躊躇していました。半日以内で帰宅できるとなれば、迷う理由が大いに減りますね。ぜひ前向きに検討したいと思います。悩みが解消されてホッとしました。
まとめ
病院によって異なるが当院の場合、手術当日は来院から帰宅まで早ければ1時間弱、長くても3時間ほどで終わります。従来の白内障手術ではメスなどを使い全ての工程を医師の手作業で行なっていましたが、最先端のレーザーを使った手術では一連の流れを機械で行うため短く済みます。例えば、角膜切開は1000兆分の1秒単位でレーザーを連続照射して切開します。
手術当日は、まず自宅で瞳孔を開く目薬を差してから来院してもらいます。受付した後、視力や血圧などの簡単な検査を行い、医師による直前の診察を受けてもらいます。その後、普段着のまま、ガウンや帽子・マスクを着けて待機。術後は眼帯を着け、スタッフと一緒に手術室からリカバリールームへ戻り、10〜15分間安静にします。最後に診断をし、特に問題がなければ生活上の注意点をお伝えし、ご帰宅という流れです。
術中の麻酔は目だけに効く局所的なものなので、術後でも術前と変わりなく自力で歩くことができます。ただしお風呂や洗顔・お化粧などについてはちょっとした注意点があります。注意点は術後の説明をしっかり聞き、従うようにしてください。


監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。