白内障お悩みQ&A

多焦点眼内レンズにはさまざまな種類があると聞きましたが、どうやって選ぶのでしょうか?

ご相談者様

多焦点眼内レンズは、ここ数年で次々と新しい製品が出て、たくさんの種類があると聞きました。どうやって選べばいいのでしょうか。

  • おっしゃるとおり、たくさんの製品が出て、ラインアップが豊富になりました。それぞれの製品の特長は一般に知られているわけではないので、迷われるのも当然だと思います。
    メガネのようにかけて試せれば問題ないのですが、そうはいきません。そこでお勧めしているのは、ご自身が見たいものに合わせてレンズを選ぶということです。

  • 自分が見たいものですか・・・?

  • ライフスタイルを振り返っていただければわかりやすいですね。
    たとえば、仕事でノートパソコンやスマホを頻繁に使うなら近くのものが見やすいレンズ、趣味でゴルフを楽しむなら遠い距離も見やすいレンズ、運転をすることが多いなら標識や信号がくっきりと見え、まぶしさや視界のにじみを抑えるレンズという具合です。反対に、現状では日常のどんなシーン・場面で不便を感じるか、抽出してみるのでもよいですね。新聞や本が読みづらくなった、テレビが見にくくなったというような場面を思い出せばよいですね。

  • 見たいもの、見え方で不便を感じるものについて、書き出してみるのは簡単にできそうです。

  • そうすると選ぶことのできるレンズが絞られてきます。
    ただ、そこで終わりではありません。
    多焦点眼内レンズは、3焦点眼内レンズや焦点深度拡張型レンズ(EDOF)などがあります。
    3焦点眼内レンズは、「近方」「遠方」とその「中間」の3ヵ所すべてに焦点を合わせることができます。対してEDOFは、遠方から中間までの広い範囲に焦点が合います。
    どちらのレンズとも、焦点の合う距離が多いため、1日中メガネをかけなくても済む可能性が高まります。

  • なるほど・・・。では、3焦点眼内レンズとEDOFのどちらを選ぶかはどう考えたらよいのでしょう?

  • 書き出していただいたメモを見て、「近方」「遠方」「中間」のどこをよく見ているのか、その頻度と1日のうちどれくらいの時間を見ているのかを確認してみましょう。
    3焦点眼内レンズは、近方、中間、遠方までのすべてに良好な視力を得ることができるため、バランスよく視界を確保できます。
    他方でEDOFは、近方の視力は3焦点に劣りますが、遠方から中間が見えやすくなるので、スポーツを楽しむ趣味を持つ方には、特におすすめです。

  • 多焦点眼内レンズは種類も多くなって、自分に合ったものを選びやすくなっているのはよくわかりましたが、ここまで増えると逆にまた迷ってしまいそうです。

  • 大丈夫です。手術前のカウンセリングの時間が十分にあり、現状の見え方・手術後の見え方についてヒアリングや説明を丁寧に行っていること。そして、多焦点眼内レンズのラインアップが豊富なクリニックを選べば、一緒になってあなたにマッチしたレンズを選んでくれるはずです。

  • わかりました。不安がありましたがおかげさまで安心できました。
    ありがとうございます。

まとめ

近年、多焦点眼内レンズは多くの製品が誕生し、ラインナップの豊富さから何を選べばいいのか迷う患者も多くなりました。そこでおすすめしているのが、「自身が見たいものに合わせてレンズを選ぶ」という方法です。

例えば、仕事でPCやスマホを頻繁に使うなら近くが見やすいレンズ。趣味でゴルフを楽しむなら遠くが見やすいレンズ。車を運転する機会が多く標識や信号をはっきり見たいなら眩しさや滲みを抑えるレンズ、といった具合です。

多焦点眼内レンズには、3焦点眼内レンズや焦点深度拡張型レンズ(EDOF)などがあります。3焦点眼内レンズは「近方」「遠方」その「中間」の3カ所全てに焦点を合わせることが可能。対してEDOFは、遠方から中間までの広い範囲に焦点があうレンズです。

“自身が見たいものに合わせて”、バランスよく視界を確保したいならば3焦点眼内レンズを、遠方から中間を特に見やすくしたいならばEDOFを選択するのがおすすめです。なかなか選べない時はクリニックに細かく相談をすることが大切です。その点、しっかりとヒアリングをしてくれるクリニックを選ぶようにすべきでしょう。

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佐藤 香

監修:佐藤 香
アイケアクリニック院長、アイケアクリニック銀座院院長。集中力を要する緻密な作業を得意とし、とくに最先端の白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。そのほか、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア――「トータルアイケア」の提供を目指す。現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。著書に『目は若返る』『スゴい白内障手術』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。

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